2015年10月27日
レザーペンケースの作り方

asagaoのナカハラです(*^^*)/
今回唐突ですが、レザーペンケースの作り方を紹介したいと思います。
誰かの創作意欲の刺激になればと思いはじめての解説記事にチャレンジしたいと思います。
はじめてなのであたたかく見守ってくださいね(笑)
レザークラフトの中では初級クラスのアイテムですが、
一度作れば長く使えるので、ぜひ参考にしてみてください。
さて、材料ですが、
①レザー(ヌメ革)
②ボールペン(ゲルインク)
のみです。

・レザーの厚みですが、1~1.5ミリ程度がいいと思います。
それより厚いと作業がしにくいのと、ボテッとした印象になり、スマートな仕上がりではなくなってしまいます。
ヌメ革がいいのは、革のコバ(断面)を「魅せる」デザインだからです。
他の革でもできないことはないですが、美しさが劣ります。
・ボールペンはノック式ではなく、キャップ式のものを選びます。(キャップは不要です)
ゲルインクがいいのは、革で作るキャップが完全密閉型ではないので、インクが乾燥しないタイプが良いからです。
使用する道具を並べてみました。

初級クラスといった割に道具が少し多いですね(-.-;)
必ずしも専門の道具を購入する必要はありません。代用できるものもあります。
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1.ワックスコード(蝋引き糸)
糸の中に蝋が染み込んでいる丈夫な糸で、レザークラフトではよく使用されます。
2.CMC(ふのり)
革のコバ(断面)に塗ってきれいに仕上げるための塗布剤です。
3.染料
革のコバ(断面)の色を染めるために用意しました。必須ではありません。
4.ロータリーカッター
革を裁断する際に便利です。
5.別たち
上から圧をかけて切断するカッターです
6.型紙
ボールペンのサイズに合わせて自作しています。
7.菱目打ち
革に縫い糸と通すための穴をあけるために使います。
8.エンドポンチ
革を扇形に裁断する際に使います。
9.スチールスケール
裁断するときにカッターと一緒に使います。
10.ハンマー
11.手縫い用針
12.やすり
革のコバ(断面)を削るために使います
13.ステッチンググルーバー
革の縫い目を削る際に使います。
14.コーンスリッカー
革のコバ(断面)を磨くときに使います。
15.ゴムのり
革と革を接着する際に使います。
16.ライター
縫い糸の終りの部分を焼いて仕上げるために使います。
17.丸ギリ
革に切るための線をつけるために使います。
18.糸切りバサミ
19.ゴム板
革に打ち具を打ち付ける際の下敷きとして使います。
20.カッターマット
革を裁断する際に使います。
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まず、型紙にそって裁断する革のラインを革丸ギリで印をつけていきます。
(「けがき」という作業です)
スーッと丸ギリを引きずって革に傷をつけていく感覚です。


次に、ロータリーカッターで直線部分で裁断できる部分は裁断してしまいます。

そのあとは丸みの部分をハンマーとエンドポンチで切り抜いていきます。


次はゴムのりを裏面の接着部分に塗ります。
(ペンが通る口の部分には塗らないように気をつけます。)


ゴムのりを塗って10~15分乾かしたあと、筒状に手で圧着していきます。
(「ゴムのり」は乾いてから接着する接着剤で、乾いてない時に貼り付合わせると
接着できないので注意)


このように接着しました。

この時に貼りあわせの多少のズレが出ていたら、はみ出した部分の革を裁断します。
別たちを使うと便利です。

次に、ステッチンググルーバーで糸で縫う部分のミゾを作るように削っていきます。
このラインが次の「菱目打ち」でのガイドラインになります。
また、ミゾを掘ることで、縫い糸が革に埋もれたような美しい仕上がりになります。


次に、菱目打ちで穴を開けていきます。
ステッチンググルーバーで作ったミゾをガイドにしてハンマーで叩いて穴を開けます。

カーブの部分は2本目の菱目打ちを使いますが、直線は6本目でどんどん進んでいきます。
1本目や4本目も「あとどれだけ穴を開ける距離が残っているか」の調整で使い分けます。



穴を開け終わったら、穴に沿ってステッチンググルーバーで、もう片面にもミゾを作っていきます。
これで両面にミゾができ、両面が美しい仕上がりになります。
(最初から両面にミゾを作らないのは、菱目打ちの裏側に空いた穴がずれることがあるからです)

やすりで革のコバ(断面)を削って凹凸をなくします。
これは120番のやすりですが
更に細かいやすり(600~1200番)を使用することで
きめが細やかになり、仕上がりがより美しくなりますので
コバにこだわりたい方は試してみてください。

次に黒の染料を革のコバに塗っていきます。
筆で塗る人もいますが、私は脱脂綿に染み込ませて塗布します。
この作業は革のコバ(断面)に色を付けたいという「好み」の問題ですので
必須ではありません。

針に糸を通して塗っていきます。

最初の道具一覧には載せてませんでしたが、あると作業がしやすい
「レーシングポニー」を使います。

「レーシングポニー」があると
こうやって革を挟んで両手が自由になります。

最初と最後は3目ほど返し縫いをします。

終わりの糸を切ったら、その部分をライター焼きます。
熱せられた糸が、「玉止め」のように溶けて丸まります。

次にCMCという塗布剤を革のコバ(断面)に塗っていきます。
CMCは粉末ですので、それを水で溶いたものが左側になります。

これを塗ってコーンスリッカーで磨くと、革の耐久性が増し、仕上がりの美しくなります。



ビフォア

アフター

最後にボールペンを入れて完成です。




いかがでしたか?
わかりにくいところ、細かい部分の省略などあったかと思いますが
「レザークラフト」の愉しみが少しでも伝えられたら嬉しいです(*^^*)
ちなみに、このボールペン、もちろんカバーをつけたまま書けます。
革の弾力が手に馴染んでとても書きやすいので、手放せなくなるかもしれません。
Posted by nakahara at 17:40│Comments(0)